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2006年11月14日

雨に唄えば

出張帰りの先週末、天気予報はかなりヨロシクナイ模様。
日曜日は荒れるとのことなので、土曜日に出撃することにした。

が、起きてみると外は雨。
ゆっくりと朝飯を食べて6時前に出発。
途中の温度表示計は5℃。
寒さはそれほどでもないが、雨は止みそうな気配がない。

7時過ぎにダム湖着。
なんと、かなり水位が回復している。こいつには意表を突かれた。
どうも出張している間、こちらはずっと雨が降っていたようだ。
先々週まで完全に枯れてしまっていた沢にも、勢いよく水が流れている。
水位の回復が吉とでるか凶とでるか。

水温は10℃。それほど下がっていない。
ここで、本日の作戦タイム。
私の分析はこうだ。
「水量が増えて魚の活性は高まっていると思う。
かといって、それまでの回遊コースやポイントが急に変わるとは思えない・・・。」
・・・ということで、渇水時に魚が寄っていたポイントに仕掛けを打ちこめる場所に立ちこむことに決めた。

かなりの雨にもかかわらず、すでに数人の釣師が釣糸を垂れている。
その日は、岩手のほかに山形の車もあって驚いた。
いつ来てもいる脚立オヤジもいた。
先客は、すべて流れ込みのポイント周辺に陣取っているために、そこでの立ちこみは諦め、
別の釣師が40cm↑の鱒をかけていたのを見た場所に回った。
腰上までの立ち込みで、なんとか以前のポイントに打ち込めた。
やはりダム湖では遠投技術が物を言うなぁとつくづく思わされた。
変な癖がつく前にキチンとした投げ方を覚えたかったが、遅きに失したかもしれない(だって、魚釣りたいしね・・・)。

雨に唄えば
先日初めてナチュラムで買い物したバックとジャケット(いきなりずぶ濡れ)

そこそこにアタリはあるものの、なかなか食わせられない。
2時間ほど粘って、1年生を1尾のみの結果。
立ち込みによる冷えと雨による冷えが、体に堪える。
ふと、流れ込みのほうを見やると
脚立オヤジともう一人がいるだけで、あとの釣師は引き上げてしまったようだ。
釣場が空いたので、心機一転で釣場を移動。

また腰上までの立ち込みで黙々と投げては打ち返し、投げては打ち返し・・・。
気がついたら正午を過ぎ、1時前になっていた。
断続的に雨は降り続く。手がかじかんで、うまく動かなくなってきた。
魚の状況はあまり変わらず、アタリはそこそこあるものの喰いが渋い。
1年生を3尾追加していたが、とうてい満足できる内容ではない。
今年放流された鱒を苛めて喜んでいるわけにはいかないのだ。

数投すると毛針に慣れてしまってアタリすらなくなるので、頻繁に交換する。
そして、その日何度目かになる「がまかつ管付きチヌ2号」に巻いたフライを
ハリスに結びなおした(フライの針の番手だと#6くらいだろうか)。

風に押されながらも仕掛けを投入して、軽くシャクリを入れる。浮き下は約40cm。
フライが沈みきるまで待ってから、再びシャクリ。
すると、じわり・・・と浮きが沈んだ。
これまでの経験では、1年生↑の鱒のアタリは一気に浮きを消し込むものだったので、
また1年生か・・・と思いながら早合わせをしないように慎重に浮きを見つめた。

十分に喰わせたと思ったところで竿をあおる。
と、ズン!っと竿の腰に重さが伝わった。
あわせた竿の穂先が戻らない。
「やった!!」と思った。
こいつはデカイ。
ぶるぶるとライン越しに魚が頭を激しく振っているのがわかる。
突然の事態に、鱒は怒り心頭なのだ。

強引にラインを引き出すことがなかったので、こちらには数秒のゆとりがあった。
その間に、足下に垂らしているラインを回収した。
右手がうまく動かないが、そんなことに構っていられない。
あと少しで回収できるところで、魚が沖に向かって突っ走った。
左手で押さえていたラインが竿越しに滑って弾かれる。
「しまった!」と思ったが、魚はバレずに残っていたラインを引き出し竿を引き絞った。
ジィィーー!っとリールから糸が引き出される。
っと今度は岸に向かって突進。
あっというまにラインが死んだ。
「すわこそ!」とリールを巻く。巻く。
巻き取るとまたラインに命が吹き込まれ、竿が大きくたわむ。
バシャリと怒れる鱒が水面を叩いた。
「おぉ!」と思わず声が漏れる。
っと、またジィィィーーーー!!
・・・・・・。
・・・。

見事な鱒がネットに収まったのは、数分後のことだった。
腰上まで立ち込んでいるので、デジカメのファインダーに魚体が半分も入らない。
堂々とした鱒。50cmはあるかもしれない。

雨に唄えば
                    ありがとう

左手で支えてやると、しばらくして鱒は手から滑ってゆっくりと泳ぎ去った。
気がつくと、指先が温かい。
全身の隅々にまで暖かい血が通っているように感じた。

それまで、厳しかった天候が急に心地よく感じられた。
あとは、いくらでも降るがいい。
いくらでも吹くがいい。

完全なる記憶を胸に、納竿して家路についた。



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この記事へのコメント
リンクして頂いて、有難うございます!当方でも iwao さんのブログ、お気に入りに登録させていただきました。いや~綺麗なレインボーですね。私は専らトラウトは渓流のルアー専門ですが、ダム湖はさすがにデカイのがいますね!!

自分は渓流禁漁後は、海オンリーなので早く来年の解禁が待ち遠しいです。
Posted by godman at 2006年11月14日 16:55
 おおぉ(@_@)・・・ついにゲットし鱒たネ(^^)v・・・

 通い続けた努力&熱意の賜物っすバイ~♪~♪~

 土曜日は、こちらのブログを見ての通り90分な実釣で退散しました(^^ゞ・・・

 こちらの、ヨンパチ、あっさり更新され鱒たネ スゴッ(T_T)・・・

 

 
Posted by きょん(^^ゞ at 2006年11月14日 18:18
広い場所だと魚も思う存分走り回れるのが良いですね。
画像から魚の厚みまで伝わってきます。
おめでとうございます。
Posted by release-windknot at 2006年11月14日 22:05
こんばんは。

デカイしきれいな魚体!
雨の中、頑張った甲斐がありましたね。
それにしても最近は急に寒くなり、冬が近づいてきたと感じさせられます。ダム湖ももう少しで終了ですね・・・
Posted by べーやん at 2006年11月14日 22:32
こんばんは

寒さに負けず、粘った甲斐がありましたね。(^.^)
私なんか、でかい!と思った瞬間に、つい顔がほころんでしまうのですが、iwaoさんは、そのときどうだったのでしょうか。(笑)
Posted by hajihadu at 2006年11月14日 22:47
こんばんは。

まるで小説のような文章、楽しめました。
50cmクラスの引きは相当だったと思います。

ましてや私のようにスピニングリールではなく、
ラインとフライリールでのやり取りはスリリング
ではなかったでしょうか。
Posted by carrera930 at 2006年11月14日 23:51
でっけぇ~ニジマスおめでとうございます!
寒さの中、ここぞと思ったポイントで杭になって
回遊を待つ努力が報われましたね!

>あとは、いくらでも降るがいい。
>いくらでも吹くがいい。
という言葉で、iwaoさんの充足した気持ちが
推し量られます(笑)。
Posted by tobitani at 2006年11月15日 11:09
悪天候が続く最近ですが
スゴいですねー。
すっかりダム湖の主になってるんではありませんか?!

とにもかくにもデカイ虹鱒おめでとうございます!
Posted by JTKNのしろ at 2006年11月15日 13:39
>godmanさん
今年はかなりダム湖に通いましたが、来年のオフシーズンは海メインでやろうかなと思ってます。来期は是非ご一緒させてください^^
ダム湖、楽しいのですが釣師が多いのでマナー等々の問題で腹立たしい思いをすることもあり、あまり精神衛生上よくないかもしれません^^;

>きょんさん
とりあえず目標にぐっと近づきましたよ!
魚の計測はしない派なんで、正確にはわかりませんが
50cmはあったのではないかと思います。
ま、自称ってことで(笑)

>rerease-windknotさん
ありがとうございます!
目標の60cmクラスにぐっと近づきました^^

>べーやんさん
ホント、急に寒くなってきましたねー。
なにげに家の裏の川にも目が向くようになりまして・・・。
デカイ鯉やウグイがいるんですよねー。
ひとつアレを狙ってみようかしら。

>hajihaduさん
う~ん。
そうですねー。
デカイ奴をかけたときは、頭の中が真っ白です。
後からそのときのことを思い出してあれこれ思いをめぐらせるのが楽しいです。
故開口氏のいう、「裸の知覚」ってやつでしょうかね。

>carrera930さん
フライリールをつかってやり取りするのは初めての経験でした^^
しかし、ネイティブな鱒を釣りたいです・・・。
毎日サンマ食べてアラスカ行きますか!!!

>tobitaniさん
ようやく手にした1尾だったので格別でした。
本日終了!!って感じでした^^

>JTKNさん
最初は主かもしれんと思ってましたが、やはり上には上がいるもので、こいつら日々どうやって暮らしているんだろう・・・と思うことしきりでございまする^^;
Posted by 管理人 at 2006年11月15日 22:22
おくれましたが
デッカイニジマスおめでとうございます!
グッジョブであります!(^^)b
苦労して釣れると喜びもひとしおですね!

お見事です~!

こちらの湖でもまだカメムシドライで頑張ってる人もいるようです。
まだ魚は上を見てるのも多いみたいです。そちらはどうでしょうか?
Posted by おやぢ at 2006年11月16日 02:02
ありがとうございます。
頑張りますた!!

こちらの状況ですが、水上の落下物への反応はかなり鈍くなっているようです。このあとは厳しそうですね。私見ですが、止水のドライフライの釣りってどうも性に合いません。(焦れてきてタバコをくわえようとごそごそしてるときに出るし・・・。んで、遅れるし・・・hhh)
Posted by 管理人 at 2006年11月16日 09:22
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